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夫婦で1.5億円のマンション。ペアローンで買って大丈夫?片方の収入が減る場合まで比較
夫婦で1.5億円のマンションを買うとき、ペアローン・収入合算・単独ローンをどう選ぶか。片方の収入が減る仮の家計で、返済と手元資金を比較します。

「一人の年収では希望の物件に届かない。でも夫婦二人なら、1.5億円のマンションを買えそう」。そんなとき、ペアローンは魅力的に見えます。
先に答えを言うと、二人で借りられることと、二人で無理なく返し続けられることは別です。ペアローンを選ぶ前に見たいのは、銀行が示す借入上限より、どちらか一人の収入が一時的に減ったときの家計です。
この記事では、夫婦で借りる方法を難しい言葉を減らして比べ、1億5,000万円の物件を例に「ここまでなら進める」「ここでいったん止まる」を整理します。
まず、借り方は大きく3つ
ペアローンは、同じ家を買うために夫婦がそれぞれ住宅ローンを1本ずつ組む方法です。財布を二つ用意するイメージです。ただし、家は一つ。片方の返済が苦しくなっても、「自分の分だけ払えば、家計は問題ない」とはなりません。
| 方法 | ローンの契約 | 最初に確認したいこと |
|---|---|---|
| 単独ローン | 一人が借りる。ローンは1本 | 一人の収入で希望額を借りられるか、無理なく返せるか |
| 収入合算 | 二人の収入を審査に使う。ローンは通常1本 | もう一人が「保証人」か「一緒に返済義務を負う人」か。保険の対象は誰か |
| ペアローン | 二人が別々に借りる。ローンは2本 | 二人それぞれの借入額、手数料、保険、収入減への備え |
収入合算は、商品によってもう一人の責任の持ち方が違います。「ローンが1本だから安心」と決めず、銀行が提示した条件を確認してください。ペアローンも取扱いのない金融機関があります。三井住友銀行の借り方の説明、住宅金融支援機構のペアローン案内
1.5億円の物件を、夫婦で買うとしたら
ここからは、分かりやすくするための仮の例です。実際の銀行の提示金利や審査結果ではありません。
| 項目 | 仮の条件 |
|---|---|
| 物件価格 | 1億5,000万円 |
| 物件代金に充てる自己資金 | 3,000万円 |
| 借りたい総額 | 1億2,000万円 |
| 返済期間 | 35年 |
購入時の税金・手数料などは、この3,000万円とは別に確認します。また、この表には年収やほかの借入がないため、銀行の審査に通るかは判断できません。
ペアローンなら、たとえば一人が8,000万円、もう一人が4,000万円を借ります。金利を二人とも年1.0%、毎月同じ額を返す方法、ボーナス返済なしと仮定すると、返済はそれぞれ月約22.6万円、月約11.3万円。家計全体では月約33.9万円です。
仮に総額1億2,000万円を一人で借り、金利と期間が同じなら、月額の合計も約33.9万円です。二つに分けたから月々の負担が軽くなるわけではありません。実際には二人の金利や返済期間が違うことがあり、ペアローンは契約が二つになるため費用も比較が必要です。住宅金融支援機構の注意事項
ここに管理費、修繕積立金、固定資産税、保険料などを足して考えます。仮にそれらが月7万円相当なら、住まいに使うお金は月約40.9万円。金利を年3.0%として同じ1億2,000万円を35年間借りる仮定では、ローンだけで月約46.2万円、その他を含めて月約53.2万円です。途中で金利が1.0%から3.0%へ上がった場合の実際の返済額を示す計算ではありません。負担の大きさを比べるため、最初から各金利が続くと置いた例です。
一人の収入が減ったら、どうなる?
たとえば、この夫婦が生活費や貯蓄を確保した後、「住まいに使えるのは二人で働く間は月45万円。一人の収入が減る間は月30万円」と決めたとします。
| 仮の状態 | 住まいに使える上限 | 住まいの費用の目安 | 差 |
|---|---|---|---|
| 二人で働き、金利年1.0%の仮定 | 月45万円 | 月約40.9万円 | 約4.1万円の余裕 |
| 一人の収入が減り、金利年1.0%の仮定 | 月30万円 | 月約40.9万円 | 月約10.9万円不足 |
| 二人で働き、金利年3.0%の仮定 | 月45万円 | 月約53.2万円 | 月約8.2万円不足 |
これなら「年1.0%で二人が働く間は払える」が答えです。しかし「一人の収入が減っても、同じ条件で払い続けられる」とは言えません。出産・育児、転職、独立、介護などで収入が変わる可能性があるなら、何か月の不足を手元の現金で補えるか、その後は支出を下げられるかまで考えます。
これは「片方の収入だけで一生返せなければ買ってはいけない」という意味ではありません。一時的な収入減に備える期間と方法を、契約前に決めておくという話です。そもそも月45万円、30万円、その他費用7万円はこの例だけの仮定です。自分の家計の数字に置き換えてください。
「保険があるから大丈夫」でもない
住宅ローンには、借りた人が亡くなった場合などに残りのローンを返す保険があります。これを団体信用生命保険、略して「団信」といいます。
一般的なペアローンでは、二人がそれぞれ保険に入ります。一人に保険の対象となる出来事が起きると、その人のローンは保険で返済されますが、もう一人が借りた分は残ります。二人分が必ず消えるという意味ではありません。二人を対象にする商品もあるため、保障の範囲と追加費用は商品ごとに確認してください。住宅金融支援機構のペアローン案内
また、育休や転職で収入が減ることと、団信が支払われることは別です。「収入が下がったら保険が助けてくれる」と考えないでください。
触れにくいけれど、離婚したときのことも
結婚前や購入前に離婚の話はしづらいものです。ただ、ペアローンを選ぶなら、怖がらせるためではなく、ローンを二人で組むと何が残るかだけは知っておいてほしいと思います。
離婚しても、二人の住宅ローンが自動的に一本になったり、家を出た人の返済義務が消えたりはしません。家も共有名義なら、売るのか、どちらかが住み続けるのかを二人で整理する必要があります。みずほ銀行のペアローン解説
- 売る場合:売却代金で二人のローンを返し切れるかを確認します。売却費用まで含めて不足するなら、その差をどう用意するかが問題になります。
- 一人が住み続ける場合:もう一人の持ち分とローンをどう整理するかが必要です。「私が二人分を払う」と二人で決めるだけでは、銀行との契約は変わりません。借り換えや名義変更が可能か、銀行の確認・審査が必要です。
たとえるなら、二人の名前で借りたものを、あとから一人の名前に書き換える話です。二人の合意だけでは終わらず、貸している銀行の条件も満たさなくてはなりません。だからこそ、購入前に「数年後に売ることになっても、ローンを返し切れるか」「一人で住み続ける選択肢は現実的か」を考えておきます。離婚を予想するのではなく、住み替えなども含めて、将来の選択肢を残すための確認です。
住宅ローン控除と家の名義も、あとから決めない
二人で借りると、「税金の控除も二人分で得なのでは」と考えるかもしれません。ただし、各人が実際に使えるか、いくら使えるかは、その人の所得や住宅の条件などで変わります。控除を最大にするために、借入額を最大にする順番にはしない方がよいでしょう。国税庁:中古住宅を取得した場合の住宅ローン控除
家を夫婦それぞれの名義にする割合も、何となく半分ずつにしないでください。実際に購入資金を負担する割合と、登記上の持ち分が違うと、贈与税の問題が生じる場合があります。自己資金をどちらが出すかも含め、契約前に確認します。国税庁:共働きの夫婦が住宅を買ったとき
結局、どの借り方を選ぶ?
「二人で借りれば1.5億円に届く」と分かったら、次はこの順番で考えてみてください。
- まず、一人で無理なく借りられる額と、二人で借りられる額を分けて確認する。
- 二人で借りるなら、ペアローンと収入合算の契約費用・保険・返済義務を同じ表で比べる。
- 一人の収入が減る期間と、金利が異なる場合を置き、生活費を払った後の現金が足りるか確認する。
- 自己資金を入れた後も、急な支出と収入減に備える現金を残す。
- 売却や一人での住み替えが必要になっても、ローンと家の名義を整理できる余地があるか確認する。
- それでも家計が窮屈なら、借り方を工夫する前に、物件価格を下げる。
一人の収入で無理なく返せて、希望額も借りられるなら、単独ローンから検討できます。二人の収入が必要なら、収入合算とペアローンの両方を比較する価値があります。ただし、二人の収入を最大限使わないと成り立たない価格なら、その物件はいったん見送る判断も必要です。
迷うのは「ペアローンと収入合算、どちらが得か」だけではないはずです。「この物件を、今の二人の家計で買ってよいか」が本当の質問ではないでしょうか。希望物件の価格、二人の借入希望額、購入後に残したい現金、収入が減る場合の期間を整理してから、ローンと購入予算を無料で相談することができます。銀行の審査額だけでなく、無理なく持ち続けられる価格から一緒に考えましょう。
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参考資料と試算条件
- 住宅金融支援機構「ペアローン」・「ペアローンの概要」
- みずほ銀行「ペアローンの特徴と注意点」
- 三井住友銀行「住宅ローンの選び方」
- 国税庁「共働きの夫婦が住宅を買ったとき」
- 国税庁「中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合」
返済試算は借入1億2,000万円、35年、元利均等返済、ボーナス返済なしで、年1.0%または年3.0%がそれぞれ全期間続くと仮定。1万円単位に丸めています。管理費・修繕積立金・税金等の月7万円、家計の住居費上限45万円・30万円も説明用の仮定です。融資手数料、保証料、団信の追加費用、税制上の適用額、金利変更後の実際の返済額は計算に含みません。審査承認、将来金利、購入の適否を示すものではありません。
