Ansera購入判断コラム

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1.5億円のマンション、月々いくらまでなら買ってよい?ローン以外も含む総住居費の決め方

1.5億円前後のマンション購入で、住宅ローンだけでなく管理費・修繕積立金・税金等を含め、無理のない月額上限を決める方法を具体例で整理します。

購入価格と毎月の総住居費を整理した判断表
執筆株式会社Ansera 編集部購入判断コラム編集
監修酒井 裕株式会社Ansera 代表

1.5億円のマンションを検討している方から、よく「月々いくらなら大丈夫でしょうか」と聞かれます。先に答えると、ローン返済額だけでは判断できません。管理費・修繕積立金・税金・保険まで含む「総住居費」を出し、収入が落ちた月にも持ち続けられるかを見ます。

銀行が貸してくれる金額と、そのご家族が無理なく持ち続けられる金額は、同じではありません。ここは購入相談で最初に分けて考えるところです。

この記事の数値は市場相場や融資条件を断定するものではなく、判断方法を示すための仮定例です。実際の金利、税額、維持費は、購入時点の融資条件と対象住戸の資料で確認します。

まず「住宅ローン以外」を月額へ直す

物件価格だけを見ると、購入後の固定費が抜けます。最低でも次の項目を同じ月額表へ入れます。

  • 住宅ローン返済
  • 管理費
  • 修繕積立金
  • 固定資産税・都市計画税の月割り
  • 火災保険等の月割り
  • 駐車場、駐輪場、トランクルーム
  • 将来の住み替えや室内修繕に備える積立

毎月口座から落ちない費用も、発生しないわけではありません。年払いの税金や数年ごとの室内修繕を月額へ直すと、賃貸時の家賃と比較できる形になります。

1.5億円の仮定例で比べる

次の条件を、あくまで計算例として置きます。

項目 仮定
購入価格 1億5,000万円
自己資金 3,000万円
借入額 1億2,000万円
返済期間 35年
管理費 月3万円
修繕積立金 月2.5万円
税金・保険の月割り 月3.5万円

このとき、元利均等返済・ボーナス返済なしという仮定では、金利年1.0%ならローン返済は月約33.9万円、年2.0%なら月約39.8万円、年3.0%なら月約46.2万円です。管理費等の9万円を足すと、総住居費はそれぞれ月約42.9万円、月約48.8万円、月約55.2万円になります。

年3.0%は将来の金利を予測する数字ではありません。「今の金利なら払える」で止めず、想定以上に上昇した場合でも生活と資産形成が崩れないかを見るストレステストです。実際の適用金利や返済額は金融機関の正式条件で再計算してください。

調子のよい年だけで予算を決めない

Anseraでは「年収の何倍まで」という一律の倍率ではなく、次の式で月額上限を組み立てます。

総住居費上限 = 安定的な月手取り − 基本生活費 − 年間支出の月割り − 毎月確保したい資産形成額 − 予備費

ここでいう安定的な月手取りには、継続性を確認できない賞与・RSU・役員報酬の増額分を安易に含めません。教育費、車、旅行、家族支援など毎月ではない支出も年額から月割りします。最後に残った金額が、ローン返済だけでなく管理費等を含む総住居費の上限です。

酒井の判断 数字上は買える場合でも、賞与やRSUを毎年使い切る前提なら、私は一度立ち止まります。住宅を持つことで、転職や独立を選びにくくならないかまで確認したいからです。

例えば安定的な月手取り130万円、基本生活費42万円、年間支出240万円(月20万円)、資産形成25万円、予備費8万円なら、総住居費上限は月35万円です。一方、月手取り170万円で他の条件が同じなら上限は月75万円です。同じ1.5億円でも、買ってよいかは世帯ごとに変わります。これは判断方法を示す仮定例であり、特定年収の一律基準ではありません。

給与所得者は直近の年収を基本とします。ただし、外資系勤務者などで賞与・RSU等の変動報酬の比率が高い場合は、過去2〜3年の実績も確認します。経営者は原則として直近3期程度の所得と決算内容を確認し、会社の運転資金と個人資金を分けて考えます。

判断表では、少なくとも次の3ケースを並べます。

  1. 現在の収入が続くケース
  2. 賞与や変動報酬を使わないケース
  3. 育休、転職、事業投資などで一時的に手取りが下がるケース

3つ目でも手元資金を大きく崩さず保有できるなら、価格だけでなく「保有可能性」が高いと判断できます。

頭金より先に、購入後に残す現金を決める

自己資金3,000万円を全額頭金に入れる前に、購入諸費用と生活防衛資金、近い将来に使う資金を分けます。Anseraでは一律の金額を置きませんが、最低でも1年程度の生活費と住宅固定費を残すことを基本にします。教育費、独立・事業資金、住み替え費用など、目的の決まった現金まで頭金へ入れると、借入額は減っても選択肢が狭くなります。

頭金は「多いほど安全」ではありません。購入後に現金が足りず、高い金利の借入や不利な時期の売却が必要になるなら逆効果です。

管理費が安い物件ほど、資料を確認する

修繕積立金は将来変わる可能性があります。長期修繕計画、積立方式、改定履歴、総会議事録を確認し、現在の月額が安いことだけを好材料にしません。

同じ1.5億円でも、総住居費が月43万円の住戸と月50万円の住戸では、10年間の差は単純合計で840万円です。価格差が小さくても、維持費と将来負担を合わせると判断が変わります。

酒井の判断 月々の返済が収まっていても、希望していた貯蓄や家族の支出を削らないと成立しないなら、それは「買える価格」ではあっても「買ってよい価格」とは言いにくいと考えています。

買ってよい条件

  • ローン以外を含む総住居費を把握している
  • 変動報酬を除いたケースでも支払いを継続できる
  • 購入後に残す現金の用途と金額を決めている
  • 金利や修繕積立金が変わるケースを試算している
  • 住み替え時に必要な売却期間や売却費用も想定している

見送る条件

  • 「銀行から借りられる」が購入上限の根拠になっている
  • ボーナスや将来の昇給がないと毎月の収支が合わない
  • 税金、保険、駐車場を含めると希望する貯蓄ができない
  • 頭金を入れた後の手元資金が決まっていない
  • 管理費・修繕積立金の将来見通しを確認できていない

購入診断で整理すること

Anseraの購入可能性・適正予算診断では、年収から機械的に上限を出すのではなく、自己資金、毎月の固定費、変動報酬、今後の支出、物件の維持費を一つの表へまとめます。「1.5億円を買えるか」ではなく、「どの条件なら買ってよいか」を明確にします。

購入と賃貸のどちらを選ぶか迷っている場合は、家賃30万〜50万円の賃貸継続と購入の判断方法で、現在の家賃と総住居費を比べてください。候補物件が決まった後は、買付前・契約前に確認する管理資料へ進むと、価格以外の将来負担も確認できます。

Anseraの判断方針

購入可能額は金融機関の融資上限ではなく、購入後の生活費、住宅費、資産状況を含めて判断します。ローン審査に通る場合でも、総保有コストによって生活や将来計画の余裕が小さくなるなら、購入を勧めないことがあります。

個別の取引事例は、実案件の内容と公開可否を確認できた場合に限り、個人や物件を特定できない形で掲載します。