Ansera購入判断コラム

loan / no4

1〜2億円の中古マンション、買付前の住宅ローン事前審査はどこまで準備すべき?

1〜2億円の中古マンションで買付を出す前に、住宅ローン事前審査をどこまで準備すべきかを初心者向けに整理。必要書類、借入額、銀行の選び方、売主への伝え方を解説します。

中古マンションの購入前に住宅ローンの準備を確認する夫婦
執筆株式会社Ansera 編集部購入判断コラム編集
監修酒井 裕株式会社Ansera 代表

「この部屋を買いたい」と思ったとき、住宅ローンの事前審査はどこまで済ませておけばよいのでしょうか。

先に結論をお伝えします。1〜2億円帯の中古マンションでは、買付を出す前に、少なくとも次の3つをそろえておくのが安全です。

  • いくら借りたいのかが決まっている
  • その金額で事前審査を申し込み、できれば書面で結果を受け取っている
  • 事前審査の金額と、自分が無理なく返せる金額を分けて考えている

事前審査は「この金額を必ず借りられる」という保証ではありません。たとえるなら、飛行機に乗る前の手荷物検査に近いものです。通過しても、搭乗前に本人確認や荷物の再確認があります。住宅ローンも、事前審査の後に物件と書類を詳しく確認する本審査があります。

買付前の準備は、3段階で考える

「完璧な書類が全部そろうまで物件を見てはいけない」という意味ではありません。検討の深さに合わせて準備します。

段階 ここまで準備できればよい 目的
情報収集 安定した月手取り、自己資金、借入希望額を整理 自分の予算を知る
候補物件が見えてきた段階 事前審査を1行以上へ申込み、結果と条件を保存 買える可能性を確認する
買付を出す前 借入額、自己資金、諸費用、審査結果の有効期限を確認 売主へ説明できる状態にする

人気物件で買付の判断を急ぐ場合、事前審査の結果が後から届くこともあります。その場合でも、申込み中であること、いつ結果が出る予定か、借入希望額はいくらかを仲介担当者と共有しておきます。

まず決めるのは「物件価格」ではなく「借入額」

1億5,000万円の中古マンションを例にします。

項目 仮の金額
物件価格 1億5,000万円
手付金を含む自己資金 3,000万円
住宅ローンの希望額 1億2,000万円
諸費用 別途確認

同じ1億5,000万円の物件でも、自己資金を1,000万円にするのか、3,000万円にするのかで、審査へ出す借入希望額は変わります。諸費用をローンに含める場合も、借入額へ加える金額を先に決めます。

「銀行が貸してくれる上限」から物件価格を決めると、購入後に現金が残らないことがあります。毎月のローン返済に、管理費、修繕積立金、固定資産税、保険、駐車場などを足した総住居費で考えます。

事前審査の前にそろえるもの

銀行によって違いますが、次の情報を手元に置くと入力のやり直しを減らせます。

  • 本人確認書類
  • 勤務先、勤続年数、役職、雇用形態
  • 前年の源泉徴収票や所得証明
  • 給与以外の賞与、RSU、事業所得などの内訳
  • 現在の住宅ローン、車のローン、カードローンなどの残高と返済額
  • 自己資金、手付金、諸費用に使う金額
  • 希望する借入額、返済期間、ボーナス返済の有無

個人事業主や会社役員、海外勤務、転職直後、収入に賞与や株式報酬が多い方は、追加資料が必要になることがあります。最初から「自分には何が必要か」を銀行へ確認しておくと、買付後に書類不足で止まりにくくなります。

銀行によっては事前審査で書類提出が少なくても、本審査では本人確認、収入関係、物件関係の資料が必要です。三井住友銀行は、事前審査では物件書類が不要で、本審査で物件内容と詳細な借入希望を確認すると案内しています。三井住友銀行の必要書類案内

ネット銀行だけで準備を終えてよい?

ネット銀行の事前審査は、入力が早く、物件が決まる前でも試しやすい商品があります。一方で、事前審査の入力内容だけで判定する商品もあり、本審査で物件資料や収入資料を詳しく確認します。

オリックス銀行も、事前審査は申告した最低限の情報をもとに行い、本審査では正式な申込みに基づき詳細に確認すると説明しています。事前審査が承認されても、本審査で承認されない場合があることも明記しています。オリックス銀行の説明

そのため、ネット銀行の結果を「意味がない」と決めつける必要はありません。ただ、1〜2億円帯で買付を出すなら、ネット銀行1行の画面だけを見て「資金は確定した」と考えるのは危険です。

Anseraの実務では、可能であれば大手銀行を含めて最低1行は事前審査の承認通知を取り、次の本審査へ進める選択肢を残すようにしています。これは大手銀行なら必ず通るという意味ではありません。銀行ごとに審査基準が違うため、収入の形、勤務先、物件条件に合うかを確認します。

売主へ見せるのは「銀行名」だけではない

売主が買主を比較するとき、価格だけでなく「契約を進められそうか」も見ます。事前審査の結果は、その判断材料の一つです。

仲介担当者から売主へ説明できるよう、次を整理しておきます。

  • どの銀行へ申し込んだか
  • いくらの借入が承認されたか
  • 承認通知の日付と、条件・有効期限
  • 自己資金と諸費用の準備状況
  • 本審査へいつ進めるか
  • ローン特約の条件をどうする予定か

ただし、源泉徴収票や口座残高をそのまま売主へ渡す必要はありません。共有する情報の範囲は、本人の了承を取ったうえで仲介担当者と決めます。

事前審査に通った後、してはいけないこと

事前審査の承認後から本審査までは、申込み時と状況を変えないことが大切です。

  • 新しい車のローンやカードローンを組む
  • クレジットカードの支払いを遅らせる
  • 転職、退職、独立など勤務状況を大きく変える
  • 賞与やRSUが必ず入る前提で借入額を増やす
  • 別の銀行へ無計画に申込みを重ねる

転職や独立が決まっている場合は、隠すのではなく先に銀行へ伝えます。事前審査の申告内容と本審査の書類に差があると、確認に時間がかかったり、判断が変わったりする可能性があります。

「買付前に事前審査が必要」と言われたら確認すること

買付を出す前に、次の質問へ答えられる状態にします。

  1. 希望する借入額は、物件価格と諸費用を分けていくらか
  2. 事前審査は承認か、条件付きの承認か
  3. その結果は書面で確認できるか
  4. 本審査で追加提出する書類は何か
  5. 承認通知の有効期限や、再確認が必要な条件は何か
  6. ローン特約に書く金融機関、借入予定額、承認期限、解除期限はどうするか

「承認」と書いてあっても、借入額の上限、団体信用生命保険、物件の担保評価などに条件が付く場合があります。銀行へ「この通知だけで融資が確定していますか」と聞くのではなく、「本審査で何が変わる可能性がありますか」と確認する方が、次の準備につながります。

買付を出してよい状態、いったん止まる状態

買付を出す準備ができている状態

  • 借入希望額と自己資金が決まっている
  • 事前審査の結果を保存し、条件を読んでいる
  • 諸費用を現金で払うか、ローンに含めるか決めている
  • 購入後に残す現金を確保している
  • 本審査の書類と期限を確認している
  • ローン特約を、希望する融資条件と合わせて相談できる

いったん止まって確認したい状態

  • 借入上限を、そのまま購入予算だと思っている
  • 事前審査は通ったが、借入額や条件を説明できない
  • 諸費用や手付金を払うと、購入後の現金がほとんど残らない
  • 賞与やRSUが毎年同じ金額になる前提で返済を組んでいる
  • ネット銀行1行の画面だけで、本審査も確実だと思っている
  • 買付を急ぐあまり、ローン特約の期限を確認していない

酒井の判断 事前審査は、買付を有利にするための飾りではありません。自分がいくらまでなら安心して買えるかを、売主へ説明できる形にする準備です。借りられる額と、買ってよい額が違うなら、後者を優先します。

Anseraの買付前相談で整理できること

候補物件が決まっていれば、事前審査の結果、自己資金、手付金、諸費用、毎月の総住居費を一つの表にまとめます。売主側へ確認する質問、ローン特約へ反映したい条件、本審査までにそろえる資料も整理します。

物件がまだ決まっていない場合は、個別の契約書や重要事項説明書を確認することはできません。ただし、借入希望額の置き方や、事前審査へ出す情報の整理は先にできます。

「買付を出すために、どこまで住宅ローンを準備すればよいか」が曖昧な方は、候補物件と現在の審査状況をもとにご相談ください。

→ 候補物件の購入相談・資金計画を相談する

関連記事

参考資料

この記事は住宅ローンの一般的な準備方法を説明するものです。融資の可否、適用金利、ローン特約の内容は、申込時点の金融機関と個別契約で確認してください。