Ansera購入判断コラム

住宅ローン

中古マンションの住宅ローン控除はいくら?2026年の条件と戻る税金

年収300万・500万・800万・1,500万円の例で、実際に使える住宅ローン控除を比較。2026年入居の中古マンションの条件、省エネ証明がない場合、所得税と住民税、還付の時期まで具体的に解説します。

自宅のテーブルで税金の書類とマンションの間取り図を確認する購入検討者のイメージ
執筆株式会社Ansera 編集部購入判断コラム編集
監修酒井 裕株式会社Ansera 代表
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「自分の年収なら、結局いくら税金が減る?」

2026年に中古マンションへ入居する場合、同じ物件でも、本人の税金と住宅の区分によって控除額は変わります。まず年収別の具体例を見てから、候補物件の確認方法と家計への影響を整理しましょう。

1.満額14万円を使える人・使えない人の違い

まず、年末の対象ローン残高が2,000万円以上ある「その他の住宅」で比べます。省エネ等の区分に当てはまらない中古住宅のことで、計算上の控除は年14万円です。

給与の額面年収 控除前の所得税の例 住宅ローン控除で減る内訳
300万円 26,500円 所得税26,500円+翌年度の住民税26,500円=計53,000円
500万円 88,500円 所得税88,500円+翌年度の住民税51,500円=計14万円
800万円 418,500円 所得税から14万円
1,500万円 1,971,900円 所得税から14万円

年収500万・800万・1,500万円の例が同じ14万円になるのは、物件側の年間上限が14万円だからです。払う所得税が多くても、その上限を超えては引けません。年収500万円の例は、一部が翌年度の住民税の減額になります。

一方、年収300万円の例は合計53,000円です。給与所得控除98万円・社会保険料45万円・基礎控除104万円を引くと、税率を掛ける金額は53万円。所得税はその5%の26,500円で、住民税から引ける上限も26,500円になります。

計算条件は、給与収入のみ・扶養なし・ほかの所得控除や税額控除なし。社会保険料は順に年45万・75万・120万・180万円と仮定しています。2026年分の給与所得控除・基礎控除で計算し、住民税側にも十分な税額がある前提です。融資を受けられる額の比較ではありません。

扶養家族や医療費などで税額が下がれば、同じ年収でも使える控除額が変わります。「年収がいくらなら必ず満額」ではなく、自分の税額で確かめる必要があります。

会社員が最初に見るのは、年末調整済みの源泉徴収票の「源泉徴収税額」欄です。復興特別所得税を含む前年の目安であり、今年の控除可能額そのものではありません。すでに住宅ローン控除を使っている方や確定申告で税額が変わった方は、控除前の税額を別に確認します。

なお、表は住宅ローン控除本体の金額です。2026年は所得税に上乗せされる「復興特別所得税」も、所得税が減った分だけ少なくなります。所得税から14万円引ける例なら、こちらも計算上2,940円減ります。国税庁:給与所得控除/基礎控除/所得税の税率

2.所得税が8万円なら、残り6万円はどうなる?

住宅ローン控除は、まずその年の所得税から引きます。引き切れない分は翌年度の住民税へ回りますが、こちらにも上限があります。

2026年入居では、住民税へ回せる上限は「所得税の課税所得×5%、最大97,500円」。課税所得とは、給与所得などから社会保険料や基礎控除などを差し引き、税率を掛ける前の金額です。

たとえば、控除前の所得税が8万円、課税所得160万円なら、住民税側の上限も8万円。残った6万円を住民税から引ければ、合計14万円を使えます。

一方、冒頭の年収300万円の例では、住民税側の上限も26,500円のため、合計53,000円で止まります。使い切れない87,000円が別途支給されたり、翌年へ繰り越されたりする制度ではありません。

どちらも、住民税の所得に応じてかかる部分に、引けるだけの税額がある前提です。「年14万円が上限」と「自分が14万円使える」は分けて確認しましょう。大田区:住民税の住宅ローン控除

3.住宅の種類で、10年・13年の合計はどれくらい違う?

基本の計算は、年末の対象ローン残高に0.7%を掛ける方法です。ただし、計算に使える借入額には住宅ごとの上限があります。

中古住宅の区分 年間上限・控除期間 全期間の理論上限
その他の住宅 年14万円・10年 140万円
省エネ基準適合住宅 年14万円・13年 182万円
認定長期優良・認定低炭素・ZEH水準省エネ住宅 年24.5万円・13年 318.5万円

上の表は、毎年のローン残高と税額が十分あり、毎年すべての条件を満たす場合です。子育て世帯などの上乗せを除いた、2026年入居の中古住宅を示しています。一定の改修要件を満たす「買取再販住宅」は別区分です。

計算対象の借入上限は、上から2,000万・2,000万・3,500万円。1億円借りても、「その他の住宅」なら計算は2,000万円×0.7%=14万円です。

ZEH水準省エネ住宅は、断熱とエネルギーの使い方が、通常の省エネ基準より高い水準にあると証明された住宅、と捉えると分かりやすいでしょう。

その他の住宅と省エネ基準適合住宅の理論差は42万円。控除が増えるからと、数百万円高い部屋をその差だけで選ぶのは、順番が逆です。

子育て世帯・若者夫婦世帯は、省エネ基準適合住宅で年21万円、認定住宅・ZEH水準で年31.5万円へ上限が増える場合があります。対象は、年末時点で19歳未満の扶養親族がいる方や、夫婦のいずれかが40歳未満の方など。上乗せには登記上50㎡以上などの条件があります。国土交通省:現行制度

4.候補マンションの区分は、この順番で調べる

物件広告の「住宅ローン控除対象」「省エネ住宅」などの記載を入口に、次の3点を仲介担当者へ確認します。

  1. 2026年入居なら、どの住宅区分で申告できる物件か。
  2. その住戸について、区分を証明する書類があるか。
  3. 足りない場合、追加取得の可否・総費用・間に合う時期はどうか。

築10年という年数だけでは、断熱材や設備の性能まで判断できません。壁紙やキッチンを替えた「リフォーム済み」も、省エネ基準を満たす証明とは別です。

省エネ区分では、「建設住宅性能評価書」の該当する等級や「住宅省エネルギー性能証明書」などを確認します。マンション全体の説明だけでなく、自分が買う住戸の申告に使える書類かを聞きましょう。

証明書が手元になくても、過去の評価書や図面を使い、建築士などが後から証明できる場合があります。資料だけでは判断できず、現地調査が必要になることもあります。調査時期にも条件があるため、「買ってから考える」より購入前の確認が大切です。国土交通省:区分別の必要書類

省エネ性能を証明できなかったら?

中古住宅は、省エネ性能を証明できないだけで住宅ローン控除が使えなくなるわけではありません。2026年入居なら、ほかの適用条件を満たせば「その他の住宅」として、借入限度額2,000万円・控除期間10年で対象になります。

例えば築15年の中古マンションなら、省エネ証明がなくても、下の所得・面積・入居・ローンなどの条件を確認して判断します。一方、必要な耐震性を確認できないなど、基本条件を満たさない場合は対象外です。「省エネを証明できない」と「控除の基本条件を満たさない」は別の話です。国土交通省:中古住宅の区分・適用要件

証明書の取得は、費用を払えば必ず得になる手続きではありません。発行・調査などの総額を見積もり、証明できる見込みと、返済後の残高・本人の税額から見込める「追加の控除額」で比べます。例えば追加控除の見込みが3万円、費用が5万円なら、控除を増やす目的だけでは費用を回収できません。3万・5万円は比較方法を示す仮定です。

本人と物件の基本条件も忘れずに

  • 所得:控除を受ける本人の合計所得金額が原則2,000万円以下。給与だけなら、額面2,100万円から給与所得控除195万円を引いて1,905万円となる例があります。手取り額ではありません。
  • 面積:原則、広告ではなく登記上50㎡以上。40㎡以上50㎡未満は、本人の合計所得金額1,000万円以下などの条件付きです。
  • 築年・入居:1982年1月1日以後の建築が一つの目安。それ以前は一定の耐震証明などを確認します。取得から6か月以内に入居し、その年末まで住むことも必要です。
  • ローン:原則、返済期間10年以上。自分が主に住むための家が対象です。

住み替えで売却益の3,000万円特別控除を使う方、親からの援助で贈与の非課税特例を使う方は、併用制限や計算の調整も確認してください。国税庁:中古住宅の適用条件

5.毎年14万円?返済すると控除も減る?

毎年、その年末の対象ローン残高などで計算し直します。

「その他の住宅」なら、年末残高2,500万円でも2,000万円でも上限は年14万円。残高が1,900万円になった年は、1,900万円×0.7%=13.3万円です。

つまり、上限より多く借りている間は同額が続く場合があり、上限を下回れば計算額も減ります。所得が条件を超えた年や、税額が少ない年も結果が変わります。控除期間が13年でも、13回同額を受け取れる約束ではありません。

6.いつ、どう戻る?所得税と住民税を分けよう

2026年に購入・入居した会社員の基本の流れです。

  • 最初の年分:2027年に2026年分の確定申告。払いすぎた所得税等があれば、指定した本人の口座などへ還付されます。自宅等からのe-Taxでは通常3週間程度、申告集中期の書面提出ではおおむね1か月〜1か月半が目安。書類不備などで長くなる場合があります。
  • 2年目以降:必要書類を勤務先へ提出し、年末調整で受ける方法があります。所得税の精算は勤務先の給与支払等を通じて行われ、毎月14万円の12分の1が振り込まれる仕組みではありません。
  • 住民税に回る分:2026年分の残りは2027年度の住民税へ。給与天引きなら通常、2027年6月〜2028年5月の負担に反映されます。こちらは現金の還付ではなく、払う税金が少なくなる形です。

会社員も初年度は確定申告が必要です。国税庁:住宅取得後の手続き/還付の時期と受取方法/大田区:住民税の給与天引き

7.年収1,500万円・1.5億円の購入例で、家計まで見る

冒頭と同じ税計算条件の会社員が、1億5,000万円の「その他の住宅」を買う架空例です。登記70㎡・1998年築で適用条件を満たすとします。借入は1億2,000万円。残りの物件代金3,000万円と購入諸費用は別に確保します。

毎月の支出 仮の金額
ローン返済 約33.9万円
管理費・修繕積立金 6万円
固定資産税等の月割り 2万円
合計 約41.9万円

ローンは35年間、年1.0%で金利が変わらない仮定。毎月の返済額を一定にする方法で、ボーナス返済はありません。費用は物件ごとに変わります。

この例の控除前所得税は約197.2万円なので、年末残高が2,000万円以上なら、控除本体14万円を所得税から引けます。

社会保険料年180万円、所得税等と住民税を差し引くと、控除前の手取りは年約1,010万円、月平均約84万円という概算になります。前年も同じ収入が続き、住民税は標準税率などで計算する前提です。賞与も12か月に割った平均なので、毎月の給与振込額とは違います。

月約41.9万円は、この手取り月平均の約半分。控除14万円を年換算しても、生活費や貯蓄へ回す余裕が十分かを確認したい負担です。月40万円を住居費の上限にする家庭なら、控除を年換算で差し引いても超えています。購入額や借入額、固定費の見直しが先です。

8.「戻る額」を確認したら、次は控除前の予算へ

購入前にそろえたいのは、本人の税額、住戸の住宅区分と証明書、登記面積、入居予定日です。これが分かると、「最大額」から「自分が使えそうな額」へ進めます。

そのうえで連絡先不要の購入予算計算機で、控除前のローン・管理費・税金を含む月々の負担を確認しましょう。この計算機は控除額を判定するものではありません。

「控除を見込まず、この価格で家計を組めるか」は無料購入相談で一つ質問することもできます。税制の適用や申告額の個別判断は、資料をもとに税務署・税理士へ確認しましょう。

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