物件選び
持病があると住宅ローンは組めない?団信の審査と購入前に確認すること
持病・通院歴があると住宅ローンは組めない?団信と融資審査の違い、ワイド団信、団信なしで借りる場合の備えを解説。金利が年0.3%上乗せされる返済例と、売買契約前の確認手順を整理します。

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「薬を飲んでいるけれど、住宅ローンは組める?」「事前審査に通れば、健康面も大丈夫?」
持病や通院歴があるだけで、住宅購入を諦める必要はありません。確認したいのは、お金を借りる審査に加えて、住宅ローンに付く保険の審査です。
気になる物件が見つかってから慌てないよう、団信の確認時期、利用できる選択肢、毎月の負担を順番に整理しましょう。
1.団信とは?銀行の審査とは何が違う?
団体信用生命保険、略して「団信」は、借りた人が亡くなった場合など、契約で定めた条件に当てはまると、保険で住宅ローンの残りが返済される仕組みです。
例えば、ローン残高が4,000万円のときに保障の対象となれば、その残高の返済に保険金が使われます。家族の口座に自由に使える4,000万円が振り込まれる、という意味ではありません。
購入前には、次の二つを分けて確認します。
| 確認する審査 | 主に確かめること |
|---|---|
| 住宅ローンの審査 | 収入、ほかの借入れ、物件などから融資できるか |
| 団信の審査 | 申告された健康状態などから保険に加入できるか |
注意したいのは、事前審査では団信の確認が終わらず、その後の本審査で審査される商品があることです。例えば、ドコモSMTBネット銀行の申込案内では、正式審査の書類提出と合わせて団信を申し込み、団信の審査結果が確定してから正式審査が終わる流れを示しています。
つまり、「事前審査に通ったので売買契約を結んだが、その後に団信へ加入できないと分かった」という順番になることもあります。事前審査の承認だけで安心せず、銀行に「団信の結果も出ていますか。まだなら、契約前に確認できますか」と聞きましょう。
申込みの時期は金融機関によって異なり、住宅金融支援機構の手続案内には、事前審査と合わせて申し込める場合も示されています。
2.薬を飲んでいたら入れない?まずは正確に伝える
健康状態を保険会社へ知らせる手続きを「告知」といいます。
高血圧の薬を飲んでいる、過去に手術を受けた、健康診断で再検査を勧められた。こうした事情は、申込先の告知書で何を尋ねているかを確認し、該当する内容を本人が正確に記入します。病名だけを見て、自分で合格・不合格を決める必要はありません。
手元にある通院・治療の時期、薬の名前、検査結果などを整理しておくと、質問に答えやすくなります。診断書が必要か、指定の書式があるかは、取得する前に確認しましょう。
仲介担当者へ口頭で話しただけでは、保険会社への告知を済ませたことにはなりません。書き方に迷ったら、申込先が指定する窓口に確かめます。
正しく告知しないと、契約が解除されたり、必要なときに保険金が支払われなかったりする場合があります。申込みのために自己判断で治療や服薬を中断せず、治療は主治医と相談してください。住宅金融支援機構:正しく告知いただくために
3.通常の団信が難しかったら、何を比較する?
選択肢は、次のように整理できます。いずれも申込み・審査や商品ごとの条件確認が必要です。
| 選択肢 | 比較したい点 |
|---|---|
| 別の金融機関・団信を確認する | 引受保険会社、加入条件、年齢、保障内容 |
| ワイド団信を確認する | 加入できるか、金利の上乗せ、保障の範囲 |
| 団信なしで利用できるローンを検討する | 借入条件に加え、万一の返済をどう支えるか |
ワイド団信は、通常の団信より健康面の加入条件を緩和した保険です。「ワイド」は、加入できる健康状態の幅、いわば「加入の間口」を広げているという意味。保障が手厚いという意味ではありません。
例えば、みずほ銀行のワイド団信は、通常の団信に加入できなかった人も加入できる場合があるとし、対象商品の金利に年0.3%を上乗せしています。対象年齢などの条件もあるため、全員が利用できる制度ではありません。
ここで、「団信を外せば、同じ銀行からそのまま借りられる」と考えないことが大切です。例えば、三菱UFJ銀行の公式FAQは、団信への加入を借入条件としています。こうした条件の商品では、利用できる団信に加入できなければ、その住宅ローンは借りられません。
一方、フラット35の公式利用条件では、健康上の理由などで団信に加入しない場合も利用できると案内しています。収入・物件・借入上限など、ローン自体の条件は別に確認します。
団信なしなら、保険証券のどこを見る?
亡くなったときに、いくら、どの方法で、いつまで受け取れるかを見ます。団信なしで借りた場合、死亡によって団信からローンが返済されることはありません。
例えば、ローン残高4,000万円に対して、一括で受け取れる死亡保険金が2,000万円なら、それだけで完済するには2,000万円足りません。預金も使うなら、返済後に家族の生活費・教育費がいくら残るかまで考えます。
毎月一定額を受け取る「収入保障保険」は、一括で返す計画とは分けて、月々の返済と生活費を賄えるか、受取りの終了がローン完済より早くないかを確認します。受取方法や期間は商品によって異なります。生命保険文化センター:収入保障保険
既存の保障で足りない場合は、借入額を下げることも選択肢です。新たな生命保険にも加入審査があるため、「後から別の保険に入ればよい」と決めず、条件と家計を確認してから購入予算を決めましょう。
4.金利が0.3%上乗せされると、月々いくら増える?
ここでいう年0.3%の上乗せは、年1.0%なら年1.3%になる、という意味です。借入額の0.3%を毎月払う計算ではありません。
35年間それぞれの金利が変わらず、毎月同じ額を返す元利均等返済・ボーナス返済なしで比べます。金利は仕組みを説明する仮定で、現在の募集金利ではありません。
| 借入額 | 年1.0% → 年1.3%の月額 |
|---|---|
| 5,000万円 | 約14.1万円 → 約14.8万円(約7,100円増) |
| 1億円 | 約28.2万円 → 約29.6万円(約1万4,200円増) |
1億円の例で、管理費・修繕積立金・税金の月割りなどを合計月7万円と仮定すると、住居費は約35.2万円から約36.6万円になります。月36万円を上限に考えていた家庭なら、借入額や物件予算を見直す必要が出てきます。
比べたいのは「一番安い広告金利」ではなく、自分が利用できる団信を含めた金利です。金融機関から条件が出たら、連絡先不要の購入予算計算機で、金利と毎月の費用を入れ直してみてください。
この試算には融資手数料などの一時費用は含めていません。実際の上乗せ幅・金利・保障条件は申込先の提示内容で比較します。
5.確認はいつまで?売買契約の前に段取りを決める
「売買契約を結んだ後で、希望した団信が使えないと分かった」。この状態を避けるには、物件探しと並行して確認を進めます。
- 金融機関に、健康面の事前相談ができるか、団信をいつ申し込めるか聞く。
- 加入できる団信と、上乗せ後の金利・借入額・月々の返済を確認する。
- 結果が契約前に出ないなら、仲介担当者と確認期限・融資条件を整理してから契約を判断する。
例えば、11月1日に売買契約を予定しているのに、団信の結果は11月中旬になると言われた場合。「ローン特約があるから大丈夫」と進めず、結果を待てるか、使えるローンの条件は何かを契約前に詰めます。
ローン特約は、定めた融資を受けられなかったときの解除などを取り決める条項です。「希望の団信に入れない」「別のローンなら借りられるが負担が増える」ときにどう扱うかは、契約内容に照らして確認します。
契約前チェックの記事も参考に、申込先・借入額・金利条件・期限を曖昧にしないようにしましょう。
6.購入を進める目安は「借りられる・払える・備えられる」
確認するのは、この三つです。
- 借りられる:団信を含め、利用できる融資条件が確認できている。
- 払える:上乗せ後の返済に管理費・税金などを足しても、家計に収まる。
- 備えられる:団信の保障対象と、保障されない場合の生活費・返済への備えを理解している。
持病があるからと最初から諦めるのでも、借りられる方法だけを急いで探すのでもなく、この三つを満たす条件で住まいを選びましょう。
「購入候補はあるが、ローンの確認をどの順番で進めればよいか分からない」という段階でも、購入前の段取りを一つ質問するから相談できます。相談は無料で、2営業日以内にメールで返信します。
病名・検査結果・診断書は、この相談フォームに記入・添付する必要はありません。団信の告知は、金融機関・保険会社の指定手続きで行ってください。加入可否・保険金の支払いは引受保険会社、融資可否は金融機関が判断します。
