Ansera購入判断コラム

住宅ローン

ハイブリッド型住宅ローンとは?月々の返済と「売るときに残る借金」を比較

ドコモSMTBネット銀行のハイブリッド型住宅ローンを解説。年収・物件条件、通常型との月額差、10年後の残高と売却時の不足額を1億2,000万円の仮定例で比較します。

バルコニーから見た、夕方の光が入るマンションのリビングのイメージ
執筆株式会社Ansera 編集部購入判断コラム編集
監修酒井 裕株式会社Ansera 代表
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「毎月の返済を抑えて、希望するマンションを買えるなら気になる。でも、最後に大きなお金を返すのは不安……」

ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)の「期日一括返済併用型住宅ローン」は、元金の一部を最後にまとめて返す商品です。2026年6月に取り扱いを開始し、銀行名は同年8月3日に現在の名称へ変わっています。公式発表・商号変更の注記

毎月の家計に余裕をつくれる一方、ローンの残高は減りにくくなります。選ぶときは、月々の返済と、住み替え・完済時に返すお金をセットで比べましょう。

1.元金の一部を「最後に返す」とは?

借入金を、毎月返していく部分と、最後にまとめて返す部分に分けます。後者は担保評価額の50%に相当し、毎月は利息だけを払います。銀行の商品案内

担保評価額とは、融資のために銀行が評価する物件の金額です。売買価格や借入額とは、必ずしも一致しません。

例えば、借入額も担保評価額も1億2,000万円と認められた場合、仕組みは次のようになります。

借入金の部分 返し方
6,000万円 毎月、元金と利息を返す
残り6,000万円 毎月は利息のみ。元金は最終回にまとめて返す

「半分を払わなくてよい」のではなく、「半分の元金を返す時期を後ろに回す」ということです。銀行が将来6,000万円で買い取ってくれる仕組みでもありません。

一方、購入価格が1億2,000万円でも、銀行の担保評価額が1億円なら、据え置く元金はその50%の5,000万円です。「購入価格の半分」を後回しにできるとは限りません。

さらに、この商品は担保評価額に500万円を加えた額が融資上限です。この例では最大1億500万円なので、物件代金だけでも差額1,500万円の自己資金が必要です。諸費用は別に見込み、実際の融資額は審査で確認します。融資額の公式条件

2.どんな人・マンションが対象?

主な条件は以下のとおりです。年収はペアローンでも「二人の合計で1,000万円」ではなく、どちらか一方が条件を満たす必要があります。

確認する点 主な条件
年収 前年年収1,000万円以上。ペアローンは一方が1,000万円以上
年齢・団信 借入時18〜65歳、完済時80歳未満。指定の団信への加入が必要
エリア・物件 東京23区、横浜市・川崎市、大阪市の新築・中古マンション
金額の条件 公式発表では担保評価額1億円以上。購入価格だけで対象と判断しない
期間・築年数 最長35年。中古は最終返済時に築65年以内

借入額は500万円〜3億円で、担保評価額に500万円を加えた額が上限です。自分や家族が住むための購入が対象で、賃貸目的には利用できません。商品概要説明書・2026年8月3日現在

例えば築40年の物件なら、築年数の条件からは最長25年が目安になります。実際の借入期間は年齢や審査でも変わります。

申込みは銀行代理業者・提携不動産会社を通じて行います。通常のネット申込みと同じつもりで進めず、対象物件と受付窓口を先に確認しましょう。

定期借地権のマンションは特に注意が必要です。6月の発表には需要への言及がありますが、確認した商品概要説明書では借地上の物件は対象外です。利用できる前提で購入計画を組まず、銀行に確認してください。

3.1億2,000万円借りると、毎月いくら違う?

以下は商品の仕組みを比較するための仮定で、銀行の金利提示や融資承認の例ではありません。

借入額・担保評価額をともに1億2,000万円、期間35年、毎月返す部分は元利均等返済、ボーナス返済・繰上返済なしとします。

通常型を年1.00%、併用型を年1.35%と置きます。公式案内の年0.35%上乗せを反映した比較で、どちらも35年間金利が変わらない仮定です。

比較する数字 通常型 併用型
毎月の返済 約33.9万円 約24.7万円
10年後のローン残高 約8,988万円 約1億564万円
最終回の据置元金返済 なし 6,000万円
35年間の利息合計 約2,227万円 約4,367万円

併用型の月額は、毎月返す6,000万円分が約17.9万円、据え置く6,000万円分の利息が6.75万円。合計約24.7万円です。最終回には、この月額に据置元金6,000万円の返済が加わります。

月約9.2万円軽くなりますが、この例の利息総額は約2,140万円多くなります。月額の差は、そのまま「得した金額」ではありません。

利息が増える理由は二つです。年0.35%の上乗せは、据置部分だけでなく、毎月返していく部分にもかかります。さらに、据え置いた6,000万円は途中で元金が減らず、35年間その全額に利息がかかり続けます。

別途、併用型の事務手数料2.2%は、1億2,000万円の借入れなら264万円です。毎年ではなく借入時に払う費用で、元金の返済にも充当されません。表の利息には手数料・登記費用などを含めていません。金利・費用の公式案内

管理費・修繕積立金・税金も加え、毎月の住居費で比較しましょう。初期費用の整理は、中古マンション購入で必要な現金も参考になります。

4.10年後に売れば、残りは返せる?

前の例で、10年後に1億円で売却し、売却費用に350万円かかったと仮定します。将来価格の予測や、売却費用の見積もりではありません。

返済に使える売却代金は9,650万円です。

売却代金でローンを返すと 概算
通常型:残高約8,988万円 約662万円残る
併用型:残高約1億564万円 約914万円不足する

併用型は、据え置いた6,000万円だけ返せばよいのではありません。毎月返している側の残高も合わせて精算します。不足する約914万円は、預金などから補う必要があります。

一方、月々軽くなった約9.2万円を使わず、10年間すべて貯めたなら、利息なしでも約1,103万円になります。この例では不足分を賄えますが、使ってしまえば残りません。

つまり、月額が軽くなった分を「何に使い、いくら残すか」までが資金計画です。売却後には次の住まいの費用も必要になります。

売らずに住み続ける場合も、最終回の一括返済は必要です。預金などで返す計画を立て、「そのとき借り換えればよい」だけを前提にしないこと。将来の借換え可否は、その時点の条件と審査によります。

5.検討する価値があるのは、どんな場合?

教育費などが重なる時期の支払いを抑えつつ、後の収入・預金で返済原資を積み上げたい家庭には、比較する価値があります。住み替える時期が決まっている場合も、想定する売却時点の残高を並べると判断しやすくなります。

例えば35歳で35年ローンを組めば、満期は70歳です。住み続けるなら、積み立てた預金や受取見込みを確認した退職金などで6,000万円を返した後、老後の生活資金をいくら残せるか。売却するなら、売却費用とローンを払った残りで、次の住まいと生活を賄えるかまで考えます。退職金や売却代金だけで足りると決めず、金額を置いて確認しましょう。

反対に、通常型では家計が回らず、最後の返済も値上がり頼みになるなら、先に購入価格を見直したいところです。

変動金利を選ぶなら、金利上昇時も試算します。据置元金6,000万円では、年利が1ポイント上がると、その部分の月利息だけで5万円増える計算です。毎月返済部分への影響も別にあります。

比較するのは「今日払えるか」だけでなく、「価格が下がっても、予定より長く住んでも返せるか」です。金利・手数料と住む年数の比べ方も合わせて確認してください。

6.買付前に、銀行へこの四つを聞く

  1. この物件の担保評価額、借りられる額、最後に残す元金はいくらか。
  2. 通常型と併用型それぞれの適用金利、手数料を含む費用はいくらか。
  3. 10年後・15年後・満期の残高と、売却時に必要な返済手続きはどうなるか。
  4. 一部を早く返す場合、どちらの元金に充当でき、手数料はいくらか。

通常型と同じ物件・借入額・保有年数で返済予定表を出してもらうのが出発点です。審査が緩くなる商品ではないため、買える価格を上げる前に条件を確認しましょう。

候補物件の価格と返済計画をどの順番で確認するか迷ったら、購入前の資金計画を一つ相談するからご相談ください。相談は無料、2営業日以内にメールで初回返信します。商品の取扱窓口・融資条件は銀行に確認します。