Ansera購入判断コラム

物件選び

中古マンションはどこまでリフォームできる?買う前に確認したい間取り・水回り・管理規約

中古マンションの間取り変更や水回り移動はどこまで可能?壁・床・窓・エアコンの制約と管理規約、購入申込み前に確認したい資料・相手・順番を解説します。

中古マンションの間取り図と内装材を見ながらリフォームを検討する室内のイメージ
執筆株式会社Ansera 編集部購入判断コラム編集
監修酒井 裕株式会社Ansera 代表
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「この壁をなくせば、ちょうどいい間取りになる」「キッチンを移せば、家族で暮らしやすそう」。中古マンションを見ていると、そんなふうに購入後の姿を想像しますよね。

ただ、マンションは自分の部屋の中でも、何でも自由に変えられるわけではありません。建物を支える壁は壊せませんし、キッチンの移動は配管の位置次第です。床材や窓も、管理規約が関わります。

希望する工事が「できたらうれしい」のか、「できなければ買わない」のか。まずそこを分けて、後者は購入申込みの前に確認しましょう。

買う前に、まずこの4つを確かめる

希望すること 購入前に確認すること
壁を取ってリビングを広げる・部屋を増やす その壁が建物を支える壁ではないか。増やす部屋に窓や空調を確保できるか
キッチン・浴室・トイレを移す 排水管・換気の経路と、床下・天井の余地があるか
床を張り替える 管理規約が求める遮音性能や、工事の申請手続き
窓を替える・エアコンを増やす 窓や外壁の扱い、配管穴、室外機置場、管理組合の承認条件

これは「できる工事」の一覧ではありません。同じような間取りでも、建物の構造や規約が違えば答えは変わります。国土交通省が示す管理規約はひな型なので、購入するマンション自身の規約と図面を見て判断します。国土交通省「マンション標準管理規約」

間取りは、壁を取れば自由に変えられる?

例えば、2LDKを3LDKにして子ども部屋を二つ作りたい場合。壁を新しく設けるだけで済むように見えても、できた部屋に窓があるか、エアコンを付けられるか、家具を置ける広さが残るかまで考える必要があります。

逆にリビングを広げるために壁をなくしたい場合は、その壁の役割が重要です。単なる間仕切りと、建物を支える壁は違います。後者は撤去できません。間取り図の線だけを見て「ここは取れそう」と決めず、建物の図面を使って設計・施工の専門家に確認します。国土交通省「マンション住戸内リフォームガイドライン(案)の作成」

壁を動かせるとしても、希望の部屋数になることと、暮らしやすい部屋になることは別です。子どもの成長後まで使うなら、ベッドと机を置いたときの通路も図面上で確かめておきたいところです。

キッチンや浴室は、好きな場所へ移せる?

水を使う設備は、見えている本体だけを移すわけではありません。水を流す管、換気の通り道、床下や天井の空間も一緒に考えます。

「壁付けキッチンを、窓の近くの対面型にしたい」という希望なら、今のキッチンからどのくらい離すのかがポイントです。配管の経路を確保できなければ、希望の位置には移せません。浴室やトイレも同じで、図面を見ずに内覧だけで判断するのは難しい工事です。国土交通省「マンション住戸内リフォームガイドライン(案)の作成」

購入前に工事会社へ「できますか?」とだけ聞くより、「この図面のキッチンをここへ移したい。配管・換気・床高に問題はありますか」と希望位置を示して聞く方が、答えを得やすくなります。それでも、現地調査前の返答は確定判断ではありません。

床・窓・エアコンも「部屋の中だから自由」ではない

カーペットをフローリングに替えたい場合、下階への音を抑える性能について、管理規約や工事細則に条件があることがあります。床材の見た目だけで選ばず、そのマンションで使える仕様を確認します。

窓やサッシは、住戸から使っていても共用部分として扱われることがあります。古い窓を自分の判断で丸ごと交換できるとは限りません。窓の内側にもう一枚設ける方法なども含め、何が認められるかは規約と管理組合へ確認します。国土交通省「専有部分と共用部分の仕分け」

エアコンのない部屋も要注意です。配管を外へ通す穴や室外機置場がなければ、希望する位置に設置できない場合があります。特に、仕事部屋や子ども部屋として使いたい部屋は、内覧時に穴と室外機の場所を確かめてください。国土交通省「空調設備改修工事」

1億5,000万円前後の候補なら、どう比較する?

ここからは説明のための架空例です。実際の工事見積もりや成約事例ではありません。

候補Aは1億4,500万円。立地は気に入っていますが、希望の間取りに変えてから住むつもりです。工事予算を仮に1,500万円置くと、物件と工事だけで1億6,000万円になります。ここに購入諸費用、工事中に別の家に住む費用、予定外の工事への備えも必要です。

候補Bは1億5,600万円。間取りを大きく変えずに暮らせるなら、表示価格はAより高くても、購入後の支出と入居までの時間ではBの方が軽いかもしれません。

大事なのは、Aの工事予算1,500万円が実際に足りるかどうか以前に、希望の間取りへ変えられるかです。壁や配管の制約で実現できなければ、予算を積み増してもAは「希望の家」になりません。物件価格の安さだけで先に買付を出さない方がよい場面です。

購入申込み前に、誰に何を確認する?

  1. 希望する工事を、「できなければ買わない」「代案があればよい」「入居後でもよい」に分ける。
  2. 仲介担当者へ、管理規約、リフォーム工事細則、現況の間取り図、入手できる建物・設備図面を依頼する。
  3. 必須の工事について、売主側の了承を得て設計・施工の専門家に現地や図面を確認してもらう。管理組合にも、申請方法と制限を確認する。
  4. 工事範囲と概算が見えたら、購入価格・諸費用・工事費・工事中の住居費・入居予定日を一緒に並べる。融資に工事費を含めたい場合は、利用予定の金融機関にも条件を聞く。

工事に着手できるのは、原則として物件の引渡しを受けた後です。入居希望日が決まっている方は、引渡しから工事完了までの時間も逆算してください。

管理会社に「過去にも似た工事がありました」と言われても、それだけで今回の工事が承認されるとは限りません。工事の内容とその住戸の条件を示し、正式な手続きを確認します。売買契約後に希望の工事ができないと分かっても、それだけで契約を取りやめられると考えないでください。工事が購入の絶対条件なら、契約前にその条件を満たせる見通しをつけることが先です。

買ってよいか、いったん止まるか

希望する工事の範囲が分かり、規約と図面を確認でき、専門家が実現方法と費用の見通しを示せる。工事後も、物件と住居費の合計が予算内に収まる。ここまで揃えば、候補として前へ進めます。

反対に、間取り変更が購入の決め手なのに構造が未確認、水回りの移動が必須なのに配管図面を見られない、または工事費と入居時期が見えない。そんなときは、気に入った物件でも一度立ち止まる方が安全です。

「買ってからリフォーム会社に聞けばいい」では、買った後に変えられない部分のリスクを抱えます。住戸を決める前に、変えられる条件と変えられない条件を分けておきましょう。

候補物件で迷っている場合は、希望する工事を一つ挙げて無料購入相談で質問することもできます。どの資料を取り寄せ、誰に何を確認すべきかを整理する入口です。工事の承認や施工可否は、管理組合の手続きと設計・施工の専門家による確認が必要です。

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参考資料