Ansera購入判断コラム

property-review / no5

1〜2億円の中古マンション購入で失敗しないための注意点

港区・都心で1〜2億円の中古マンションを買う前に、予算、価格、ローン、管理、契約、近隣、リセールをどの順番で確認するか、Anseraの実務に沿って整理します。

中古マンション購入の資料を家族で確認する様子
執筆株式会社Ansera 編集部購入判断コラム編集
監修酒井 裕株式会社Ansera 代表

中古マンション購入の注意点を調べると、設備、耐震、管理、ローンなど、確認項目がいくつも出てきます。どれも間違いではありません。ただ、1〜2億円帯の購入では、チェック項目を増やすだけでは判断しにくくなります。

私たちが最初に整理するのは、その問題があるかどうかではなく、その問題を織り込んでも、この価格で買ってよいかです。物件価格、毎月の負担、将来の売りやすさを一つにつなげると、確認の順番が見えてきます。

まず結論:購入前は7つをこの順番で確認する

順番 確認すること 判断したいこと
1 購入後に残るお金 買える額ではなく、無理なく持てる額か
2 売出価格の根拠 同じ棟・近い条件と比べて説明できる価格か
3 金利上昇を含む総住居費 ローン以外の費用も含めて耐えられるか
4 管理・修繕 将来の負担増を見落としていないか
5 契約条件 解除期限や違約金を実額で理解しているか
6 室内・近隣 書面だけでは分からない住みにくさがないか
7 売却・賃貸の出口 数年後に買い手が限られすぎないか

1. 「借りられる額」から予算を決めない

例えば1億5,000万円を35年、金利1.0%で借りると、毎月返済は概算で約42万円です。金利2.0%なら約50万円、3.0%なら約58万円まで増えます。ここへ管理費、修繕積立金、固定資産税、駐車場代が加わります。

給与所得者は直近年収を基本に、賞与やRSUなど変動報酬が大きければ過去2〜3年も確認します。経営者は直近3期程度の所得・決算内容を見ます。最低でも1年程度の生活費と住宅固定費を残し、会社の運転資金と個人資金を混ぜない。金融機関の融資上限より、購入後の家計が続くかを先に見ます。

詳しい計算は、1.5億円のマンション、月々いくらまでなら無理がない?で整理しています。

酒井の判断 審査に通ることは入口です。賞与が減った年や金利が上がった年でも、その家に住み続けたいと思える負担か。私はそこまで数字を置いてから予算を決めます。

2. 売出価格ではなく、条件の近い成約を比べる

同じ棟でも、階数、向き、眺望、間取り、室内状態で価格は変わります。港区では、東京タワービューなど明確な眺望プレミアムが大きく出ることもあります。

比較は直近6〜12か月を中心に、事例が少なければ相場変動を見ながら2年程度まで遡ります。3〜5件あると見やすいものの、件数より対象住戸との近さが重要です。「平均坪単価より高い」だけで高値掴みとは決めません。

マンションの高値掴みを避ける判断基準では、価格差をどう補正するかを詳しく説明しています。

3. 金利は3%まで、費用はローン以外も置く

3%を予測しているわけではありません。想定より金利が上がっても持ち続けられるかを見るストレステストです。管理費・修繕積立金の増額予定、固定資産税、駐車場代も足し、総住居費で比較します。

買ってよいのは、3%時の返済と固定費を払っても、生活費と将来支出を削りすぎないときです。見送りを考えるのは、現在の低い金利と満額の賞与が続く前提でなければ成立しないときです。

4. 管理資料は「きれいな共用部」だけでは分からない

長期修繕計画、修繕積立金残高、大規模修繕履歴、総会議事録、管理組合の収支を確認します。議事録に「継続審議」「工事延期」「一時金」「借入」「漏水調査中」とあれば、言葉だけで危険と決めず、金額、対象範囲、決定時期を掘り下げます。

人気物件では、資料がすべて揃うまで待つと買付機会を逃すことがあります。その場合は買付を出し、契約前までに確認する項目と、結果次第で再検討する条件を明確にします。詳しくは買付〜契約前に確認する管理資料7点をご覧ください。

5. 契約書類は最低でも1週間前に読む

Anseraでは、重要事項説明書と売買契約書のドラフトを最低でも契約の1週間前に取得します。ドラフト段階で一度、難しい不動産用語をかみ砕いて説明し、気になる条件があれば売主側と調整します。本番の重要事項説明では、合意した内容と金銭・解除条件をもう一度確認します。

住宅ローン特約では借入予定額と解除期限、減額承認時の扱いを特に見ます。ネット銀行の事前審査だけに依存せず、大手銀行でも最低1行の承認を得て選択肢を持つのがAnseraの基本です。

契約の8項目は1〜2億円の中古マンション|契約前に確認したい8つの注意点にまとめています。

6. 設備と近隣は、直せる問題かを分ける

床暖房やビルトインエアコンは、故障すると床や天井を含む大きな工事になる場合があります。設置時期、修理履歴、不具合、引渡し後の責任範囲を確認します。

もう一つ、価格表には出ないのが上下階・隣戸です。騒音への苦情、深夜の来客、喫煙など、売主や管理側が把握している事実を可能な範囲で聞きます。個人情報を調べるのではなく、入居後の生活に影響する既知の事情を確認するためです。

7. 最後に「誰が次に買うか」を考える

今の自分に合うだけでなく、将来どんな人が買うか、賃貸に出すなら誰が借りるかを考えます。駅距離、広さ、間取り、眺望、管理状態、毎月の固定費は、出口の買主層を広げたり狭めたりします。

リセールバリューは「必ず値下がりしない条件」ではありません。中古マンションのリセールバリューが落ちにくい条件で、価格だけに頼らない見方を整理しています。

買ってよい条件・一度止まる条件

買ってよい条件

  • 金利3%と総保有コストを置いても家計が続く
  • 価格差を階数・向き・眺望・室内状態で説明できる
  • 管理・修繕の未確認事項と確認期限が明確である
  • 契約条件、解除期限、違約金を実額で理解している
  • 設備や近隣の確認結果を、許容するか価格へ反映できている
  • 将来の買主・借主を具体的に想像できる

一度止まる条件

  • 融資上限がそのまま購入予算になっている
  • 売出価格の根拠が「人気だから」だけで終わっている
  • 修繕積立金の増額や大規模工事を総住居費へ入れていない
  • 契約当日に初めて重要書類を読む
  • 騒音、漏水、設備不具合への回答が曖昧なままである
  • 売却時の買主像を考えると、特殊条件が重なりすぎる

候補物件が決まったら、チェック表より判断表を作る

購入前に必要なのは、「問題なし」と並んだチェック表ではありません。価格に反映する問題、条件交渉する問題、受け入れられない問題を分けた判断表です。

Anseraの購入相談では、候補物件の価格、管理、ローン、契約、出口を一枚の資金計画と判断材料へ整理します。買付後であれば、重要事項説明書・売買契約書の確認、売主側への質問整理、ローン条件の確認まで対応します。

参考資料

公的な取引情報は個別住戸の査定額を示すものではありません。実際の購入判断では、対象住戸の条件、最新の管理資料、個別の契約書を確認してください。