Ansera購入判断コラム

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リセールバリューが落ちにくいマンションの条件|1〜2億円帯で見る7項目

リセールバリューが落ちにくいマンションを選ぶ7つの条件を解説。港区・都心の1〜2億円帯で、立地、同一棟成約、住戸差、管理、購入価格をどう確認するか整理します。

都心の街並みを望むマンションの明るいリビング
執筆株式会社Ansera 編集部購入判断コラム編集
監修酒井 裕株式会社Ansera 代表

マンションを買うとき、「リセールバリューが落ちない物件がいい」と考えるのは自然なことです。ただ、最初に少し厳しい話をすると、将来も価格が落ちないと約束できるマンションはありません。

では、何を見ればよいのでしょうか。Anseraでは、値上がりしそうな街を当てることより、市況が変わったときにも次の買主が見つけやすく、価格を説明できる条件が残るかを見ます。

港区・都心の1〜2億円帯なら、駅名やブランドだけでは足りません。同じ建物でも、部屋の向き、眺望、間取り、管理状態、そして買った価格で出口は変わります。この記事では、購入前に確認したい7項目を、実際の相談に近い順番で整理します。

リセールバリューが落ちにくい7つの条件

先に結論をまとめます。私たちが確認するのは、次の7点です。

条件 購入前に見るもの 注意したい状態
1. 実需が続く立地 駅距離、生活動線、周辺環境 再開発など一つの期待だけで高い
2. 同じ棟で取引がある 直近の成約件数、販売期間 事例が少なく価格を説明しにくい
3. 次の買主が使いやすい間取り 広さ、部屋数、動線 面積の割に使いにくい
4. 住戸固有の強みがある 向き、眺望、階、角住戸 売却時の競合と差がない
5. 管理と修繕に説明力がある 長期修繕計画、積立金、議事録 将来負担や工事の懸念が不明
6. 保有費が次の買主にも重すぎない 管理費、修繕積立金、税、駐車場 ローン以外の固定費が高い
7. 購入価格に無理がない 同一棟成約、競合住戸、売出履歴 良い物件だからと上乗せしすぎる

全部そろう物件は多くありません。大事なのは、欠けている条件があっても、価格や保有期間で受け入れられるかを考えることです。

1. 「人気エリア」より、暮らす人が途切れにくい場所

リセールで強い立地というと、駅近や再開発が最初に挙がります。もちろん重要です。ただ、ニュースで注目されていることと、10年後もそこで暮らしたい人がいることは、同じではありません。

通勤、買い物、学校、医療、坂道、騒音。こうした日常の条件は派手ではありませんが、売却時にも買主が確認します。徒歩分数が同じでも、大通りを渡るのか、夜の帰宅動線が安心かで印象は変わります。

Ansera BuildingDBで港区の2025年1〜8月と2026年1〜8月を比べても、成約㎡単価の中央値は一律には動いていません。南青山、西麻布、白金、南麻布は上昇した一方、赤坂は前年同期を下回りました。これは「上がった街を買えばよい」という答えではなく、港区という大きな括りだけでは将来価格を判断できないことを示しています。

酒井の判断 私は「このエリアなら落ちません」とはお伝えしません。むしろ、同じ町の中でどちら側か、駅までどう歩くか、次の買主は何を理由にこの部屋を選ぶかまで細かくします。住所の強さに頼りすぎた物件ほど、買値の確認が甘くなりやすいからです。

2. 同じ棟で、実際に売買が続いている

将来売りやすいかを見るとき、まず確認したいのは同じ棟の成約です。直近6〜12か月を中心に、事例が少なければ相場変動を考慮しながら2年程度まで遡ります。

件数が多ければ必ず安心、というわけではありません。大規模マンションでは売買が多い反面、売却時に似た部屋と競合することもあります。一方、小規模マンションは希少でも、比較できる成約が少なく、買主や金融機関へ価格を説明しにくい場合があります。

見るべきなのは、件数だけでなく次の中身です。

  • 売出しから成約までの期間
  • 当初価格から何回変更されたか
  • 同じ広さ・間取りの住戸がいくらで売れたか
  • 同時期に何戸が競合していたか
  • 成約した住戸と売れ残った住戸の違い

国土交通省の不動産情報ライブラリでも取引価格や成約価格を確認できます。ただし、目の前の住戸を判断するには、同一棟の販売履歴と住戸条件まで重ねる必要があります。

3. 広さではなく「次の人が使える間取り」

70㎡だから売りやすい、2LDKだから安心、と数字だけで決めるのは危険です。同じ70㎡でも、廊下が長い、柱が室内へ出ている、リビングを通らないと個室へ行けないなど、実際の使い勝手には差があります。

30〜40代のDINKSが買う部屋でも、数年後に子どもが生まれれば必要な部屋数は変わります。反対に、細かく区切られすぎた間取りは、二人暮らしや在宅勤務には合わないことがあります。

内覧では家具を置いた状態を想像します。図面上の畳数より、ベッド、ダイニング、仕事机を置いて動線が残るか。ここは次の買主も同じように見ます。

4. 眺望や角住戸は「その上乗せを次も払うか」で考える

港区では、東京タワービュー、抜けた眺望、南向き、角住戸などが大きな価格差になります。明確なプレミアムは評価してよいと思います。ただし、現在の売主が希望する上乗せと、将来の買主が認める上乗せは同じとは限りません。

例えば、1億5,000万円の近似住戸に対し、眺望を理由に1億6,500万円で購入するとします。差は1,500万円です。将来その眺望が維持され、次の買主も同じ差を認めるか。前面の建築計画、眺望の方角、時間帯による室内の明るさまで確認します。

数字だけなら良く見えても、私ならここで一度止めます。プレミアムを認めることと、言い値をそのまま受け入れることは別だからです。

5. 管理状態は、古さより「説明できるか」

築年数が進んだマンションでも、必要な修繕が計画され、費用の根拠が説明できれば検討できます。逆に築浅でも、修繕積立金が低すぎる、増額計画が曖昧、議事録で問題が長く継続審議になっている場合は注意が必要です。

国土交通省も、長期修繕計画と修繕積立金に関するガイドラインを公開しています。購入時には現在額だけでなく、計画の見直し時期、積立残高、大規模修繕の履歴、将来の増額や一時金まで確認します。詳しくは管理資料7点の記事で整理しています。

管理資料が整っていることは、建物が絶対に値下がりしない保証ではありません。ただ、将来売るときに買主から質問された際、問題と対応方針を説明しやすくなります。

6. ローン以外の固定費が重すぎない

リセールを考えるなら、物件価格だけでなく毎月の保有費も見ます。管理費、修繕積立金、固定資産税、駐車場代は、次の買主にも引き継がれる負担です。

豪華な共用施設や少戸数の手厚い管理は魅力ですが、費用が高ければ買える人の範囲は狭くなります。価格が下がっても固定費は下がらないため、売却時に「購入価格は予算内だが、毎月の負担が合わない」と判断されることがあります。

1〜2億円帯では、ローン返済だけで予算を使い切らず、総保有コストで無理がないかを確認します。

7. 最後は、良い物件を高く買いすぎない

ここが最も大切です。立地が良く、管理も良く、使いやすい部屋でも、購入価格が高すぎればリセール時の損失は大きくなります。

仮に1億5,000万円で買った物件が10%下がれば、売却価格は1億3,500万円です。同じ物件を1億6,000万円で買っていた場合、同じ1億3,500万円で売ると価格差は2,500万円になります。物件の条件が同じでも、入口価格で結果は変わります。実際には売却費用やローン残債も別に確認が必要です。

買う前には、同一棟の成約、階・向き・眺望・室内状態、現在の競合を並べます。そのうえで、物件の良さに対してどこまで上乗せを認めるかを決めます。高値掴みを避ける判断方法もあわせてご覧ください。

買ってよい条件

  • 同一棟または近い条件の成約で購入価格を説明できる
  • 次の買主が評価する住戸固有の強みがある
  • 間取りが特定の暮らし方に偏りすぎていない
  • 管理・修繕の現状と将来負担を資料で確認できる
  • 総保有コストを含めても無理なく持ち続けられる
  • 市況が悪いときに急いで売らずに済む手元資金と保有期間がある
  • 価格が10%程度下がる仮定でも、ローン残債と住み替え資金を整理できる

見送る、または価格を再検討する条件

  • 「港区だから」「駅近だから」だけで価格を正当化している
  • 同一棟の成約が少ないのに、強気な募集価格を基準にしている
  • 眺望などの上乗せ額を、次の買主も必ず払う前提にしている
  • 管理資料を確認できないまま契約へ進もうとしている
  • 管理費・修繕積立金の増額後も保有できるか試算していない
  • 数年以内に売る可能性が高いのに、購入・売却費用を見ていない
  • 値下がりするとローン残債が売却価格を上回り、住み替えが難しくなる

リセールバリューは、物件名だけでは判断できません

インターネットでは「資産価値が落ちないマンション」の一覧を見かけます。候補を探す入口としては便利ですが、購入判断は一覧では終わりません。同じ棟でも、どの部屋を、いくらで買うかによって出口が変わるからです。

Anseraのマンション購入相談では、候補物件の価格、同一棟成約、住戸差、管理・修繕、総保有コスト、将来の売却条件を一つずつ確認します。値上がりを約束するのではなく、値下がりが起きたときにも判断が崩れにくい買い方を一緒に整理します。

参考資料・データ

掲載した数値例は判断方法を示す仮定です。将来の価格、売却期間、ローン残債を保証するものではありません。個別物件は最新の成約、販売状況、管理資料を確認して判断します。