Ansera購入判断コラム

物件選び

中古マンションは値下がりしている?2026年9月のデータで考える買う・待つの判断

首都圏の中古マンション価格は前年比4.5%下落。一方、都心3区は平均価格と㎡単価で異なる動きに。2026年9月の市況をグラフと表で解説し、在庫増加の見方と、候補物件を買う・待つ・見送る条件を整理します。

さまざまな高さのマンションと秋の街路樹が並ぶ都心の住宅街のイメージ
執筆株式会社Ansera 編集部購入判断コラム編集
監修酒井 裕株式会社Ansera 代表
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「中古マンションは、そろそろ安くなるのでは?」

2026年9月、首都圏の平均成約価格は前年同月より4.5%下落しました。一方、都心3区では、㎡単価は下がっていても、1戸あたりの平均価格は上がっています。東京都の1億円以上の在庫も、1年前の約1.9倍です。

ここで購入者がやりたいのは、「相場が下がったか」の確認から、自分の候補の比較へ進むことです。その部屋の価格に納得できるかと、その価格で無理なく暮らせるか。この二つを分けると、買うか待つかを整理できます。

まず数字で確認。首都圏の価格はどう動いた?

首都圏は東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県を合わせた範囲です。

首都圏の指標 2026年9月 前年同月比
平均成約価格 5,111万円 −4.5%
成約㎡単価 81.07万円 −4.8%
月末在庫 50,450件 +15.1%

成約価格はその月に成約が報告された物件の平均、在庫は月末時点で登録されている売り物件です。

価格と㎡単価は、ともに5か月連続で前年同月を下回りました。これは都心から郊外までを含む平均です。次は希望するエリアに範囲を絞り、候補の近くで実際に売れた価格を見ていきます。

2026年9月の成約価格の前年同月比。首都圏は平均価格4.5%下落、㎡単価4.8%下落。都心3区は平均価格1.4%上昇、㎡単価1.6%下落。

都心3区は「平均価格が上昇、㎡単価が下落」。なぜ?

千代田区・中央区・港区を合わせた都心3区では、動きが違います。

都心3区の指標 2025年9月 2026年9月
平均成約価格 12,950万円 13,132万円
成約㎡単価 234.86万円 231.17万円
平均専有面積 55.14㎡ 56.81㎡

平均価格は前年比1.4%上昇、㎡単価は1.6%下落。売れた部屋の平均面積も変わっています。

たとえば、次の仮の例なら、㎡単価は安くても、広い部屋の総額は高くなります。

仮の例 昨年の部屋 今年の別の部屋
広さ 60㎡ 70㎡
㎡単価 200万円 195万円
総額 12,000万円 13,650万円

平均は「その月に売れた物件全体」の動きを見る数字です。毎月、広さ・立地・築年数などの組み合わせが変わります。候補住戸の価格を見るときは、条件の近い部屋の成約事例と比べましょう。

1億円以上の在庫は約93%増。買いやすくなった?

東京都の1億円以上の中古マンション在庫。2025年9月末4,647件、2026年9月末8,981件。2億円を超える物件も含む。

東京都の1億円以上の月末在庫は、4,647件から8,981件へ、1年間で4,334件、約93%増えました。

集計対象は東京都全体の1億円以上で、2億円・3億円を超える物件も含みます。自分の予算に合う選択肢を知るには、希望する駅・広さ・築年数まで絞って確認します。

似た条件の部屋が複数あれば、価格と暮らしやすさを並べて比べます。価格交渉を考える場合も、在庫件数ではなく、近い住戸の成約価格や、その物件の販売状況を材料にしましょう。

気になる部屋は高い?比較する順番はこの3つ

1.同じマンション、次に近隣の類似物件

まずは同じマンションの販売中住戸と、最近の成約事例を確認します。なければ、同じ駅や近隣で築年数・広さ・建物の特徴が近い物件へ広げます。

条件が大きく違う物件をたくさん並べるより、違いを説明できる事例を選ぶことが大切です。

2.売出価格と成約価格を分ける

売出価格は売主の希望額。成約価格は実際に取引がまとまった金額です。販売中の物件同士だけでなく、近い条件の部屋が最近いくらで売れたかも仲介担当者へ確認しましょう。

3.価格差に、自分が納得できる理由があるか

説明用の例として、同じマンションの65㎡が1億5,000万円、別の65㎡が1億4,300万円なら、差は700万円です。

高い方が高層階で眺望がよい、室内の改修が済んでいるなど、価格差の理由を確認します。その違いに700万円を払いたいかは、自分の暮らし方と予算で考えます。

管理・修繕の状況や、成約事例の取引時期も比較項目です。近い事例が少ないときは、担当者に比較の根拠と追加で確認する項目を整理してもらい、自分が払える上限と照らし合わせます。

予算内でも迷う。1億5,000万円なら買う?待つ?

仮に、気に入った部屋が1億5,000万円で、無理なく買える物件価格の上限は1億5,500万円とします。諸費用、毎月のローン・管理費・税金、購入後に残す現金まで確認したうえでの上限です。

予算内でも、「半年後にもっと安くなったら?」という不安は残ります。

価格比較に納得でき、必要な確認が済み、入居時期も合うなら、購入を進める条件がそろっています。判断の軸は、将来の底値を当てることより、今の価格で納得して暮らせるかです。

700万円安い別候補との違いや、修繕計画・リフォーム費用の確認が残っているなら、まずそこを解消してから決めます。

判断は、この3つに整理する

  • 買う選択肢がある:価格比較に納得でき、予算内で、必要な確認が済んでいる。
  • 確認して待つ:予算内だが、比較事例や管理・修繕の情報が足りない。
  • 見直す・見送る:予算を超える、または必要な条件を満たさない。

「相場が下がるまで待つ」と「判断材料がそろうまで待つ」は違います。後者なら、何を確認できたら決めるかを今から整理できます。

月々の負担は、連絡先不要の購入予算計算機で比べられます。入力条件による返済負担の目安を確かめ、物件価格の妥当性は成約事例、融資条件は金融機関への確認と役割を分けて使いましょう。

この売出価格をどう見るか、一つ質問する

「近隣より高い理由が分からない」「予算内だけれど今買うか迷う」。候補物件について気になる点を一つお送りください。

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参照資料

公益財団法人東日本不動産流通機構「月例マーケットウオッチ 2026年9月度 首都圏不動産流通市場の動向」(2026年10月13日公表)。サマリーレポート1〜2頁、データ編7頁(価格帯別在庫)・8頁(地域別成約)を参照。

成約価格は当月の成約報告の平均、在庫は月末の登録件数です。対象地域と価格帯を分けて読み、個別住戸の査定や将来価格の予測とは区別してください。