Ansera購入判断コラム

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1〜2億円のマンション、管理費はいくらなら高い?港区の成約データで考える

1〜2億円の中古マンションで管理費はいくらなら高いのか。港区の成約データを基に、広さ、管理内容、修繕積立金、将来負担を分けて判断します。

マンションの管理資料と電卓を確認する手元
執筆株式会社Ansera 編集部購入判断コラム編集
監修酒井 裕株式会社Ansera 代表

マンションを見ていると、管理費が月2万円の部屋もあれば、4万円を超える部屋もあります。物件価格が1〜2億円になると金額の感覚が大きくなり、月1万〜2万円の差を小さく感じてしまうことがあります。

ただ、ここは購入前に一度立ち止まりたいところです。月2万円の差でも、10年なら240万円。修繕積立金や駐車場代まで加われば、住宅ローン以外の負担は思った以上に大きくなります。

先に結論を言うと、管理費は月額だけで高い・安いを決められません。 広さに対していくらか、その費用でどんな管理を受けられるか、修繕積立金が別にいくら必要か。この3つを分けて見る必要があります。

港区の1〜2億円帯では、管理費はいくらだったか

AnseraDBに登録された港区の中古マンション成約履歴から、2024年1月〜2026年8月に成約した1〜2億円帯を、専有面積別に集計しました。

専有面積 集計件数 管理費を確認できた件数 管理費月額の中央値
30〜49㎡ 160件 159件 約1.6万円
50〜69㎡ 1,118件 1,112件 約2.0万円
70〜89㎡ 1,356件 1,347件 約2.2万円
90〜200㎡ 186件 185件 約2.3万円

面積が大きくなるほど管理費の中央値は上がっています。ただし、90㎡以上だから管理費が必ず高いわけではありません。戸数の多いマンションでは共用部の費用を多くの所有者で分担できます。一方、戸数が少なく、コンシェルジュや各階ごみ置場などのサービスが手厚いマンションでは、面積当たりの負担が大きくなることがあります。

この表は「2.2万円までなら適正」という基準ではありません。候補物件を見たときに、まず同じ広さの成約群と比べ、差が出ている理由を調べるための入口です。

担当者の見方 管理費が中央値より高くても、それだけで見送ることはありません。むしろ気になるのは、金額の理由を資料や現地で説明できないときです。使わない共用施設に費用を払っていないか、管理員の勤務形態や清掃状況が金額に見合うかを確認します。

月額だけでは判断できない理由

例えば、どちらも管理費が月3万円の部屋があるとします。

  • A:50㎡、総戸数40戸、日勤管理
  • B:80㎡、総戸数500戸、24時間有人管理

月額は同じでも、Aは1㎡当たり600円、Bは375円です。さらにサービス内容も違います。数字だけを見るなら、Aのほうが割高に見えます。ただし、小規模マンションの静けさやプライバシーに価値を感じる人もいます。

だから、管理費は次の順番で見ます。

  1. 管理費の月額
  2. 専有面積1㎡当たりの金額
  3. 総戸数と共用施設
  4. 管理員の勤務形態と清掃内容
  5. 実際の共用部の状態

「高いから悪い」のではなく、払っている金額と受けている管理が釣り合っているかが判断の中心です。

管理費が高くても買ってよいケース

管理費が相場より高めでも、次の条件を確認できれば検討を続けられます。

  • 管理員や警備員の配置が明確で、共用部の管理状態も良い
  • エレベーター、内廊下、ごみ置場など必要な設備が維持されている
  • 小規模物件であることを理解し、その住環境に価値を感じている
  • 管理委託費の内訳が説明され、長期間見直されていない費用が放置されていない
  • 管理費と修繕積立金を合わせても、購入後の家計に無理がない
  • 将来売却するとき、同程度の固定費を負担できる買主が想定できる

特に港区の1〜2億円帯では、管理水準そのものが物件の印象を左右します。エントランスが豪華かどうかより、清掃、掲示物、駐輪場、ごみ置場が日常的に整っているか。内覧時には、そうした地味な場所をよく見ます。

安い管理費を喜ぶ前に確認したいこと

管理費が安い物件は毎月の負担を抑えられます。ただし、安さそのものを安心材料にはしません。

例えば、管理員の勤務時間が短い、清掃回数が少ない、必要な保守が別会計になっている可能性があります。管理費会計が赤字に近ければ、購入後に値上げされることも考えられます。

もう一つ、管理費と修繕積立金を混同しないことも大切です。管理費は日常の管理、修繕積立金は将来の大規模修繕などに備えるお金です。管理費が安くても、修繕積立金の不足があれば、将来の増額や一時金につながります。

国土交通省も、管理費・修繕積立金の毎月の負担や修繕計画は購入後の生活に影響するため、事前に把握することが重要だと案内しています。また、長期修繕計画は5年程度ごとの見直しが推奨されています。

担当者の見方 私たちは「今いくら払うか」だけでなく、次の長期修繕計画の見直し後にいくらになる可能性があるかを見ます。現在額が安くても、増額予定が決まっているなら、増額後の金額で家計を組むほうが安全です。

購入前に計算する総保有コスト

1億5,000万円の物件を購入すると仮定します。住宅ローン返済が月45万円でも、それが住居費の全部ではありません。

毎月・毎年の負担 仮の金額 月額換算
住宅ローン返済 月45万円 45万円
管理費 月3万円 3万円
修繕積立金 月2.5万円 2.5万円
駐車場 月4万円 4万円
固定資産税等 年48万円 4万円
合計 月58.5万円

ローンだけなら月45万円ですが、総保有コストは月58.5万円です。差は13.5万円あります。

この数字はあくまで判断方法を示す仮定です。実際には金利、借入額、物件ごとの費用、税額によって変わります。ただ、「ローンが払えるから買える」と考えるのではなく、固定費を全部並べると、購入後の生活を想像しやすくなります。

Anseraが候補物件で確認する順番

候補物件が決まったら、次のように整理します。

1. 現在の負担を確認する

管理費、修繕積立金、駐車場、インターネット利用料など、毎月必ず払う金額を一覧にします。

2. 値上げ予定を確認する

総会議事録、長期修繕計画、重要事項調査報告書から、管理費・修繕積立金の改定予定や継続審議を確認します。

3. 金額に見合う管理か現地で見る

エントランスだけで判断せず、ごみ置場、駐輪場、掲示板、外壁、廊下、植栽も見ます。管理資料がきれいでも、現地との間に違和感があれば理由を確認します。

4. 将来の買主の負担も考える

購入価格が下がっても管理費は原則として連動して下がりません。固定費が重いと、将来の買主候補が狭くなる可能性があります。

5. 総保有コストで購入上限を決める

住宅ローンに固定費を加え、金利が上がった場合や修繕積立金が増えた場合にも無理なく持てるかを確認します。

詳しい管理資料の確認項目は、中古マンションの買付〜契約前に確認する管理資料7点で整理しています。

買ってよい条件

  • 管理費の使途と管理内容を説明できる
  • 現地の管理状態が費用に見合っている
  • 修繕積立金と分けて将来負担を確認できる
  • 値上げ後を想定しても総保有コストに余裕がある
  • 高い管理費を払ってでも欲しいサービスが明確にある
  • 売却時の買主にも固定費を説明しやすい

一度止まって確認したい条件

  • 管理費が高い理由を資料でも現地でも確認できない
  • 管理費会計の収支や滞納状況が分からない
  • 管理費または修繕積立金の値上げが継続審議になっている
  • 使わない共用施設の維持費が大きい
  • ローン返済だけで購入予算を決めている
  • 値上げ後の固定費を含めると、貯蓄を維持できない

「相場より高いか」より、「この管理に払い続けたいか」

管理費の中央値は、候補物件を見るための物差しにはなります。ただし、それだけで購入の可否は決まりません。

月4万円でも管理内容に納得でき、将来も無理なく払えるなら選択肢になります。反対に月2万円でも、管理が追いついていない、近く大幅な改定が必要という状況なら慎重に考えます。

Anseraの候補物件相談では、管理費だけでなく、修繕積立金、固定資産税、駐車場代、ローン返済を合わせて確認します。そのうえで、目の前の物件を買ってよい価格と条件を整理します。

参考資料・データ

DB集計値は個別の建物・住戸・取引を特定できない面積帯別の中央値です。候補物件の適正額を示すものではなく、将来の管理費、修繕積立金、資産価値を保証するものでもありません。