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マンションの売れ行きが悪いと買わない方がいい?1〜2億円帯の購入判断
マンションの売れ行きが悪い、販売期間が長いと感じたとき、値下げだけで判断せず、競合住戸、価格、管理、出口から買ってよい条件を整理します。

気になるマンションを何度検索しても、同じ住戸が掲載されている。「売れ行きが悪いなら、買わない方がいいのでしょうか」。購入相談では、ここが気になる方も少なくありません。
先に答えると、販売期間が長いだけで見送る必要はありません。ただし、なぜ売れていないのかを説明できないまま、値下げを理由に買うのは避けたいところです。
1〜2億円帯では、買える人の数が限られます。売出時期や売主の事情によって時間がかかることもあります。一方で、価格、住戸条件、管理状態、将来の売りにくさに理由がある場合もあります。Anseraでは「何か月売れているか」より先に、売れない理由が価格で解決できるのか、それとも保有中と出口まで残るのかを見ます。
以下の金額と住戸は判断方法を説明する架空例です。実在物件の販売履歴や成約事例ではありません。
マンションの売れ行きは、掲載期間だけでは分からない
広告サイトに長く掲載されているように見えても、途中で媒介会社が変わった、いったん掲載を止めた、価格改定で新着扱いになった、といったことがあります。反対に、掲載期間が短くても、その価格で成約したとは限りません。
確認したいのは、次の5点です。
- 最初の売出時期と当初価格
- 価格改定の回数と幅
- 同じ棟・近い条件の競合住戸
- 内覧後に選ばれにくい住戸固有の理由
- 成約事例と比べた現在価格の位置
売出広告だけを見て「半年売れていない」と断定せず、確認できる履歴と成約情報を分けて扱います。
1億5,000万円の住戸が4か月売れていない仮定例
候補住戸は1億5,000万円、70㎡、中層階とします。同じ棟内には、条件の近い2住戸が売出中です。
| 住戸 | 現在価格 | 売出経過 | 階・向き | 室内状態 | 見るべき点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 候補 | 1億5,000万円 | 4か月 | 12階・南 | 標準 | 2回の価格改定あり |
| 競合A | 1億5,300万円 | 1か月 | 18階・南 | 改修済み | 眺望と室内状態が上 |
| 競合B | 1億4,700万円 | 2か月 | 10階・東 | 要改修 | 価格は低いが条件差あり |
この表だけなら、候補住戸が単純に割高とも、割安とも言えません。競合Aとの300万円差で眺望と改修の差を埋められるか。競合Bとの300万円差を向きと状態で説明できるか。さらに、直近6〜12か月を中心とした同一棟成約と比べます。事例が少なければ、相場変動を考慮して2年程度まで遡ります。
仮に比較可能な成約から1億4,600万〜1億4,900万円が検討帯だと整理できたなら、1億5,000万円は交渉を含めて検討できます。しかし、販売期間が長いという理由だけで1億4,500万円を提示しても、その金額に根拠はありません。
酒井の判断 長く売れている物件を見ると「安くなるかもしれない」と考えがちです。私たちは先に、価格を下げれば解消する問題なのかを確認します。眺望、間取り、管理、出口の弱さは、値下げだけでは消えません。
売れない理由を3つに分ける
1. 価格の問題
比較できる成約や競合より高く、上乗せ理由を説明できない状態です。この場合は、買ってよい上限を決め、価格交渉で条件が合えば検討できます。
2. 売り方・時期の問題
写真や間取り図で良さが伝わっていない、内覧条件が厳しい、売出時期に競合が重なったなど、住戸そのもの以外に理由がある場合です。買主にとっては機会になり得ますが、将来売るときにも同じ棟内競合が出やすいかは確認します。
3. 住戸・建物の問題
日照や眺望、使いにくい間取り、騒音、管理・修繕、維持費など、購入後も残る理由です。価格が下がっても暮らしに合わない、または次の買主へ説明しにくいなら見送ります。
「売れていないから値引きできる」とは限らない
売主に売却期限がなく、希望価格を優先している場合、販売期間が長くても大きな値引きに応じないことがあります。反対に、住み替えや資金計画の期限があり、価格より時期を優先する場合もあります。
大切なのは、売主の事情を推測して交渉額を決めることではありません。こちら側の購入上限を先に決めることです。
- 比較成約から見た価格帯
- 住戸条件に払ってよい上乗せ
- 購入後の改修費
- 管理費・修繕積立金・固定資産税等の総保有コスト
- 売却時に価格を下げても住み替えられる余力
この5つを整理し、条件が合えば買う、合わなければ見送ります。
買ってよい条件
- 売れない主因が価格または売り方だと説明できる
- 同一棟成約と競合住戸から購入上限を置ける
- 価格交渉後の条件がその上限内に収まる
- 管理・修繕資料に重大な懸念がない
- 将来売るときの競合と差別化要素を説明できる
- 想定より売却に時間がかかっても資金計画が崩れない
見送る条件
- 掲載期間だけを根拠に「割安」と判断している
- 値下げ後の価格を成約相場と比較していない
- 内覧時の違和感を価格の安さで納得しようとしている
- 同じ棟内で似た住戸が常に競合し、候補住戸の強みが弱い
- 管理・修繕または維持費の懸念が、価格を下げても残る
- 売却に時間がかかると次の住み替え計画が成立しない
候補物件診断で整理すること
Anseraの候補物件診断では、販売期間だけで評価しません。確認できる売出履歴、同一棟・類似住戸の成約、現在の競合、管理資料、総保有コスト、出口を並べ、買ってよい価格と条件を整理します。
情報が足りなければ、足りないまま結論を作りません。価格で解決できる懸念か、購入後も残る懸念かを分けることが、交渉より先です。
参考資料
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」(取引価格情報を確認する際の公的一次情報)
